昨年末に中古のデジタル一眼レフを買ってからというもの、ズブズブとカメラ趣味にハマっているしのもりです。
 夜な夜な背景紙とライトスタンドを立てては撮影に勤しむ男の姿がしのもりハウス(実家)で目撃され……

 さて、そんなザマですから家族にも私のカメラ趣味への熱中ぶりは知るところとなっております。 
 というわけで両親が「おじいちゃんもかなりカメラ好きだったなあ…どこかにライカがあるはずだよ」なんてことを教えてくれたわけです。

 あるのならば見つけて使わねばなるまいというわけで、幾度にも渡り物置をひっくり返して大捜査線を張ったのですが、果たしてライカは見つからず……。
 生前の祖父と旧知の方いわく、「知り合いで写真の学校出た人に上げちゃったんじゃないかなあ」とのこと。なんてこったい。でもこんな素人に扱われるよりかそういう方の手に渡ったほうのがカメラにとっては幸せだったのかもなあ。少なくとも二十年も物置に放置されずに済んだわけだし…。

 目的のブツは見つからなかったのですが、収穫が無かったわけではありません。
 いろいろとカメラ関係の面白いモノが見つかりました。そこから見えてきたのは祖父の写真への入れあげぶりと当時の異常なまでの羽振りの良さでした…。 

 
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 トプコン ホースマンVH-R
 見つかった中で一番「なんじゃこりゃー!」となったのがこちらのカメラ。
 1978年発売の中判カメラで、120フィルム(ブローニーフィルム)を使用します。
 大卒初任給が10万と数千円だった時代に、発売時の定価が30万円という高級機。当時を知る人の書いた記事なんかを読むと、「プロが使うようなカメラ」「とても手が出ないと思っていた」「中古があってもスタジオで使い倒されているものがほとんど」というような評され方で、ようするにプロが商品撮影や人物撮影するときに用いる類いのカメラだったようです。
 祖父は一体何を撮るためにこんな上等な写真機を買ったのでしょうか。

 写真にある105mmレンズの他に185mm(だったかな)のレンズとエレクトリカルグリップなる電気じかけのレリーズつきグリップなどが立派な革張りのケースに入っていました。本体もモルト切れ以外はかなり綺麗な状態で、おそらく完動品です。

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うしろ。ピントガラスの蓋を開いたところ。

 プロ用なだけあって(?)使い方は至って複雑。真ん中の大きなファインダーの右にある小さな連動距離計でピントを合わせるお手軽なやりかたもありますが、基本的にはピントグラスによるピント合わせをする必要があるみたいです。

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ピントグラスから被写体を見た様子 上下左右が反対になります
(ストロボ焚いてる上に後処理でかなり露出を上げてるので実際はこんなに明るく見えません…晴天の屋外ならいざ知らず)

 まずレンズについたシャッターをチャージして、その状態でシャッターを開放して、 ピントグラスを開いてピント合わせと構図決めをしてシャッターを閉じて一旦ピントグラス部を外し(!)…
 
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ロールフィルムホルダーに付け替えた後ろ姿
 
 この120フィルムが収まったフィルムホルダーを取り付け、フィルムホルダーの遮光板を抜き、露出を決めてシャッターを切る。 …調べたところによるとこんな感じの使い方のようです。 
 我々がカメラといって想像するような、ちょっと首からぶら下げてお出かけ先でパシャリという用途とは完全に一線を画した凄まじい使い心地です。

 ただ蛇腹が付いているカメラなので、所謂アオリ撮影というテクニックが使えます。長~い物(刀剣とかゴルフクラブとか)の全域にピントを合わせたり、建物の上の方のすぼまりを抑えて遠近感を殺したり、逆に遠近感を強調してモデルの脚を長く見せたり…そういうことができるそうです。だからこの手のカメラは商品撮影に重宝されたんですね。詳しくはLet's google!
 あ、そうそう、有名なアオリ撮影のテクニックというと、ティルトシフト撮影ですね。今じゃカメラ内の処理で出来るようになってますけども。

 ランニングコストもかなり一線画してます。120フィルムはだいたい5本セットで2500~3500円程度で売っています。そしてこのカメラの6×9判で120フィルムを使うと、一巻きではたったの8枚しか撮れません。おまけに現像代は一本あたり6~700円くらい。
 つまり写真を一枚撮る度に500ccのジュースが吹き飛んでいく程度の出費ということになります。
 ちょっと学生の身にはキツいので、もう少し寝ていていただきましょう…せめて物置よりは環境の良い我が部屋で…。 




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オリンパス OM-2Nとズイコー50mm f1.4

 さて、もうひとつはかなり実用的な(尤もデジタル全盛の今となっては多分に趣味的になってしまった)品です。 
 こちらは実は物置ではなくなぜか自室の棚から出てきたもの。自室なのにあるものを把握できてないのは実家住まいの悲哀といったところで…。
 見つけたのは今年の夏のはじめ頃で、見つけた次の日にはフィルム(これは普通のフィルム―つまり35mmフィルムを使用します)と酸化銀電池を買いに走っていました。
 今ではバリバリ使っています。こちらもモルト切れ以外は完璧な動作です。モルト切れもあんまり気にならないので直しもせずに使ってます(それもどうなのか)。

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OM-SYSTEMのレンズたち。右からズイコー75-105mm f4, ズイコー マクロ50mm f3.5, ズイコー35mm f2.8
 
 今回の大捜索大会ではこんなものもみつかりました。OM-SYSTEMのレンズたちです。かなり状態が良く、問題なく使えそうです。
 こんどズームを付けてノラネコでも撮りにいこうかな…。 

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オリンパスOM-2N with ズイコー50mm f1.4で撮影

 銀塩カメラ道突入に当たって、現像したフィルムをどうすんべという問題にぶち当たりました。
 最初は数千円程度で買えるフィルムスキャナーの導入を考えていたのですが、原理を調べると、どうもコンデジ並みの撮像素子で光に透かしたフィルムを撮影するという仕組みのようで…それじゃ折角35mmフルサイズ(というか35mmフィルムそのもの)で撮ってるのになんか勿体無いぞ。それならせめてAPS-C で撮ってあげようというわけで、デジイチでフィルムを取り込めるフィルムスキャナーを自作してしまいました。見た目が酷すぎるのでここには写真を上げませんが。

 カラーネガなので当然取り込み後の画像処理が必要なのが手間ですが、まあこれはこれで一枚一枚色みや露出を煮詰められるので楽しいといえば楽しいです。手間ですが。めんどくさいですが。すごくかったるいですが。 
 カラーだとやっぱり色で悩みまくる羽目になるので(実際上に掲載した写真もかなり納得行かない出来です)、モノクロで撮るのが良いのかなあと思ってモノクロフィルムも買ってきたりしたのでいずれまた機会があればアップロードすることもあるでしょう…。